浮世でランチ

浮世でランチ

山崎ナオコーラ 「浮世でランチ」

「警戒心丸出しのままで人に甘える様が、自分にそっくりで、ぞっとする。」

お昼に公園でお弁当を食べている主人公のところへやってきた猫のことをこう書いていました。私もぞっとしました。弱さや優柔不断さや臆病さや小心者のところは自分の中だけのことかと思っていたけど、やはり染み出したものが周りにも伝わっているのだなと思いました。それから自分の中学時代を思い出しました。私は本の中の子のように何かに対して強い気持ちを抱いていたのだろうか。でも世界が狭い分なんだかくだらないことでもいーーーっぱい考えていたのは覚えています。